SISOC TOKYO 発足セミナー 開催挨拶及びSISOC TOKYO紹介

20151007_01 セキュア情報化社会研究寄付講座 グループ長
東京大学 大学院情報学環 教授
須藤 修 教授

 まず須藤グループ長より、本講座の目的と発足背景について説明いただいた。講座の目的について、産・官・学の協力の下に広く人材を糾合し、実際の社会的課題に対して、社会科学的なアプローチも取り入れ研究し、その結果を広く情報発信することにあると説明。

発足の背景

 発足の背景に、次の4点を挙げた。
 「①多発するサイバーセキュリティ事案」。近年は、特に高度なアタックが相次いでおり、技術偏重の枠組みでは対応しきれない。
 「②セキュリティ人材の不足」。人材育成は、自治体・企業・政府・大学のいずれにとっても急務。上級、中級、初級など、各レベルの人材が必要であることから、本講座ではレイヤーを分けてカリキュラムを作成し、様々なレベルに応じた教育を構想する。
 「③サイバー空間の課題の再定義の必要性」。対症療法ではない抜本対策を産官学の連携で研究し、その成果の実装までを目指す。
 「④サイバーセキュリティが直面する二つのイベント」であるマイナンバー制度とオリンピックへの対応。マイナンバーは利便性とセキュリティの両立が不可欠。また、ロンドンオリンピックの際に電力系統へのサイバー攻撃があったことを例えに、東京でも同様の事態を懸念。電力、金融、エネルギー等の重要インフラへの攻撃について具体的に研究し、関係機関と連携して対策を提言してゆく。

学際領域にまたがる研究

 本研究グループの新規性について、サイバー空間における各課題を、エンジニアリングだけではなくソーシャルサイエンス(社会科学)の知見も考慮して、学融合的に考える。セキュリティの在り方、開発の在り方まで制度設計も含めて、体系的に考えたい。そして、研究だけでなく、実装まで目指してゆく。

 その実現に向けたグループの活動方針として、民間企業からの共同研究を広く募集する他、学歴・年齢を問わず、広く国内外の人材を求めることを挙げた。既に東京大学の他学科から協力・連携要請が出ており、今後は行政との連携を強化して制度設計に協力し、成果を発信していきたいと述べた。

 なお寄附講座では、今後も特任客員教授の追加や若手研究員の雇用も考えていると紹介。従来の枠組みにとらわれず体系的に考え、高度な人材養成と、学融合的な最先端教育研究機関として活発に活動を行い、その成果を社会還元したいと抱負を語った。

  • パンフレットダウンロード